|

「持論」 … 『石川保険医新聞』第456号主張欄 (2010年4月号)
2010年の診療報酬改定の在宅部分から、二つの問題を指摘したい。一つは、同じ診療行為に対して、楽してもうけすぎだとばかりに二つの診療報酬を立てる「悪貨は良貨を駆逐するタイプ」。もう一つは、新しく認められた診療報酬が、実際にはほとんど適応されることがない、いわゆる「絵に描いた餅タイプ」。
【悪貨は良貨を駆逐するタイプ】
前回の診療報酬改定で、自宅で療養されている患者さんと居住系施設で療養されている患者さんの訪問診療料が、それぞれ830点と200点に区別された。今回は、自宅で一人のみ訪問診療する場合と、とにかく同一建物で二人以上訪問診療する場合の二つに分けられた。前回、居住系施設と示された以外の建物(老人アパートなど)に住んでいる方に、在宅患者訪問診療料1を算定していたのを規制しようという意図である。移動時間が少なく、効率よく診療ができるから単価を下げるらしいが、移動時間といっても10分程度で830点から200点を引いた630点分がそれにあたるということになり、まったくもって理不
|
不合理多い今次改定
2010年4月改定診療報酬
最善の医療提供のために |
尽な点数である。
【絵に描いた餅タイプ】
今までは、皮膚欠損用創傷被覆材は在宅医療に規定するものとしては認められておらず、特に寝たきり処置指導管理料を算定している方には、在宅でも処置でもまったく請求できなかった。それが今回、在宅に規定する特定保険医療材料として、ようやく認められたかと思ったら、表皮水疱症の患者さんに在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を算定した場合に限りとあった。一般の在宅医にとっては、今までと変わらないことになる。
二つ例を示したが、不合理な診療報酬設定は、そのほかにも多い。今回の診療報酬改定は、実質的にはゼロ回答であり、不合理の根底には、低医療費政策が横たわっている。長妻厚労大臣は「経済成長の基盤を作るのが社会保障だということで、車の両輪で、あとは雇用を産み出す分野でもあります」といっている。私たちは厳しくそれを見守ると同時に、出発点を患者さんにとって必要かつ十分な医療が提供されることに置き、そのような診療報酬になるように、現場からの発信を強めていく必要がある。
|
| <石川保険医新聞 第456号より転載> |
|
|
|