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「持論」 … 『石川保険医新聞』第455号主張欄 (2010年3月号)

 2010年診療報酬改定の概要が、中医協の答申にてほぼ明らかになった。目玉は、再診料である。診療所は71点が69点に、2点約3%の引き下げとなった。診療所にとって基本診療料の減額は、サラリーマンにおける基本給の減給処分に相当する。これで、地域医療を担う開業医の経営環境は、さらに厳しくなった。本来は、無理な経営努力をしなくて済むように、基本診療料で人件費くらいは賄えるべきである。純粋な内科的診察を行った場合、最大1時間に10人程度の診察が可能である。そして、外来管理加算52点を10人すべてに算定した場合に、1時間診療あたりの診療報酬は1210点となる。
 医院の最低人員単位は医師1人、看護師1人、事務員1人である。1210点で、3人分の人件費(時給)が賄えるだろうか。さらに代診医を頼んだ場合、時給1万円は下らない。施設維持費はおろか、人件費さえ出ない貧困な点数設定こそ問われるべきだ。

               安定した医療の提供のために
          診療報酬の矛盾をただし、あるべき姿を示す使命を担って

 一方、病院再診料は60点から診療所と同等の69点に引き上げがなされ、病診の再診料格差を解消したとされる。再診料の引き上げは、病院の外来機能を再評価するという意味であり、病診連携を推進する視点からは遠ざかることになる。病院の経営難は、度重なる入院基本料の減額と、長期入院の規制や病床数の減少につながる誘導がなされた結果である。急性期病院の勤務医の過重労働を解消することは、病院の外来機能を診療所に分散させ、入院機能を十分に診療報酬で評価することで達成できる。病院の外来機能を評価するのであれば、同日受診の2科目以降の再診料が算定不可となる問題点を指摘すべきであろう。
 今次改定に先立ち、診療所の外来管理加算の時間要件ばかりが問題視され、本点数の減額について妥協がなされなかったのか。依然として、目先の問題解決を口実に、総予算の引き下げをもくろむ診療報酬改定がなされてはいないだろうか。
 本来、医療労働環境を十分に踏まえ、病院・診療所ともに、安定した医療が提供できるための必要かつ十分な診療報酬の決定がなされるべきである。
 保険医協会は、診療報酬の改定に対する矛盾をただし、さらに、診療報酬のあるべき姿を訴えてゆきたい。 
<石川保険医新聞 第455号より転載>


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診療報酬の総枠拡大
2010年12月まで

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