|

「持論」 … 『石川保険医新聞』第449号主張欄 (2009年9月号)
8月30日は、歴史的な総選挙の日となった。短期間の中断を挟んで、戦後60年以上、自民党は第一党として、日本の政治の中心にいた。だが、今回、国民は投票という民意によって、圧倒的勝利を民主党にもたらしたのである。
この選挙結果の意味するところは、長く続いた自公政権に対する失望と不満が、新しい政権の枠組みを望んだ結果であり、民主党がその受け皿となったものだろう。
わずか4年前、小泉元首相によって行われた郵政民営化選挙で自民党が大勝したことは記憶に新しい。しかし、小泉―竹中路線による新自由主義路線は、格差の増大を生み、弱者を置き去りにした。4年間で国民の感情がこれだけ大きく変化したのは、自公政権、特に自民党内のあまりにも無責任な権力のたらい回しにあったことは自明である。そして、その間も派遣切り、ネットカフェ難民、生活保護打ち切り、と多くの社会的問題が置き去りにされてきた。
民主党の医療分野でのマニフェストを見ると、社会保障費2,200億円削減方針の撤回、後期高齢者医療制度の廃止、医師養成数を1.5倍、療養病床削減方針の撤回、介護職員の給与を月4万円引き上げなど、歓迎できる政策が数多く見られる。石川協会が実施した県内3選挙区の立候補者アンケートにも同様の回答が寄せられた。ぜひ、その早期の実現に期待したい。
|
国民のための医療制度確立のために
政・権・交・代
民主党マニフェスト推進状況の注視を |
しかし、一方で急性期病院の診療報酬の包括化といった現実にそぐわない記述も見られる。「万全な準備ができた野党政権などない」という指摘もあろう。諸外国と比べ著しく高い患者窓口負担の問題などと合わせて、国民の視点でこういった施策を精査、再検討していただきたい。
保険医協会は、かねてより民主党の主張する行政の無駄を排することや、無駄な公共事業の削減については賛同の立場である。大企業に過剰に傾斜した政策を修正し、働く人たちの人権と生存権が保障される社会へ取り組まれることを切望する。
選挙前、消費税の増税は4年間据え置くとしたが、いずれ消費税増税は避けては通れないであろう。直接税か間接税か、あるいは税金以外のあらゆる国民負担、そして国民への還元率。それらが同列で論じられなければならない。国民の財布は一つしかない。われわれは、今後も国民の視点に立って、憲法が保障する人権が守られる社会の実現を要求するとともに、その実現に微力ながら努力していくつもりである。
いずれにしても、保険医協会、医師会、歯科医師会など医療団体と民主党とのパイプは、現状ほとんどない。早急に政権党となる民主党との協議の場を構築すべきであろう。
|
| <石川保険医新聞 第449号より転載> |
|
|
|