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「持論」 … 『石川保険医新聞』第445号主張欄 (2009年5月号)

 医系技官は、医師・歯科医師の資格を有し、医療や公衆衛生の分野で活動する医(歯)学部卒後五年未満に厚生労働省に採用された公務員である。今、厚労省を中心に約二百五十人在籍している。医療は専門性が高く、いわゆる事務系キャリアが分からない分野が、彼らの活動の場である。だが、期待されるような働きをしてるだろうか。まず、われわれに身近で切実な診療報酬制度を例に取り、考えてみる。
 昨年の診療報酬改定に関し、保団連北信越ブロックの代表者が厚労省に出向き、担当医系技官に直接改善要望をしたが、その一つに「在宅での胃瘻チューブの交換を、手技として認めて欲しい」との切実な要望があった。が、実際の改定で、何と「画像診断の元で」との縛りがついた。
 同じく前回の改定で、外来管理加算の五分ルールが唐突に設定された。歯科でも、前々回の改定で指導料算定に、患者に説明文書を交付するルールが設定された。いずれも現場に大きな混乱と反発を生み、直ちに改善要望が出されたことは記憶に新しい。

医療崩壊を招いた責任大
急がれる 医系技官制度 改革

 診療報酬のほかにも仕事の範囲は広く、医師・歯科医師数の設定、医道審議会などでの行政処分の決定、中央社会保険医療協議会の運営、臨床研修医制度の運営、医療過誤や医療安全の問題など、厚生労働分野で広範な職務と権限を持つ。
 しかし、今、彼らの担当分野で極めて深刻な問題が発生し、医療崩壊と言われる状況に至っている。このような状況を招いたことは、彼らに大きな責任があると考えられ、その背景として、未熟な臨床経験、官僚としての自己保身と権益拡大、予算要求など、厚生労働行政の根幹のところは、事務系キャリアに抑えられている省内力学などがあると考察する。
 現実の問題として、彼らと臨床現場のわれわれとの直接の接点は少なく、関心は薄い。が、このままで良いのか。昏迷した厚労省の諸政策の改革に、医系技官制度にも当然メスを入れなければならない。まずは、医系技官制度に関心を持ち、彼らと積極的な対話を試みたり、また、広く国民に本制度の現状と問題点を訴え、国民の福祉・健康増進に貢献するような医系技官制度改革を提言したい。

<石川保険医新聞 第445号より転載>


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