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「持論」 … 『石川保険医新聞』第435号主張欄
在宅医療が、おかしな方へ向かっている。国もマスコミも、そして私たち医療関係者ですら「在宅医療は看取り」だと思い込んではいまいか。
在宅医療とは、本来「社会復帰」の場である。どんなに重症であっても、どんなに癌の末期であっても、「その人らしく」生きていけるように、生活の場であることに最大限の〝敬意〞を払いながら医療を提供することにより、入院生活では叶わなかった満足感が得られるのが、在宅医療の本質であり真骨頂であろう。
たとえば、神経難病の患者であれば五年十年のおつき合いになるから、そもそも「看取り」を前提にした在宅への移行はなじまず、「障害を抱えながらの社会復帰とは何か」を問いながらの在宅生活になる。もちろん、癌末期の患者であっても、ただ「死に場所」としての在宅ではなく、最期までその人の人格を尊重した「社会復帰」であるべきである。そして、その結果として「看取り」もありうるのである。
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在宅医療の本質的使命は
「看取り」ではなく「社会復帰」 |
しかし、「看取り」のみを〝成功報酬〞で評価するかのような国の政策は、穿った見方をすれば、かえって一般社会の在宅医療への抵抗感・不信感を招いたのではないだろうか。いくら死を美化するようなスローガンを掲げても、退院した途端に亡くなってしまえば、病院にうらみの矛先が向くだけで、一向に早期退院は進まない。退院したからには、一旦は良くしなければ「在宅になって良かった」とは言ってもらえないのである。
だから、診療報酬は「社会復帰」を支えることに対して、支払われるべきである。それは、寝たきり患者処置指導管理料をはじめとする在宅療養指導管理料が、地域連携の中でそれを担う各々の医療機関において、正当に評価されることである。
石川協会が主幹となった今回の北信越ブロック会議では、同一の在宅療養指導管理料を複数の医療機関が共同して管理した場合の評価として、「在宅療養共同管理料」を新設することなどを盛り込んだ要望書を取りまとめた。次回の厚労省交渉では、「社会復帰を支える在宅医療の姿」を伝えてきたい。
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| <石川保険医新聞 第435号より転載> |
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